二重敬語一覧|よくある間違いと正しい言い換え早見表
丁寧に書こうとするほど増えてしまうのが二重敬語です。二重敬語とは、ひとつの語に同じ種類の敬語を二重に使うこと。 たとえば「おっしゃる」はそれだけで尊敬語なのに、さらに尊敬の「られる」を足して「おっしゃられる」とすると二重敬語になります。
この記事のポイント
- 二重敬語は「すでに敬語になっている語」にもう一度敬語を足したときに起きる
- 「おっしゃられる」「拝見させていただく」などは、ひとつ外すだけで正しくなる
- 「お伺いする」「お召し上がりになる」のように、習慣として定着し許容されているものもある
よくある二重敬語と正しい言い換え
| 二重敬語 | 正しい言い方 | なぜ二重か |
|---|---|---|
| おっしゃられる | おっしゃる | 尊敬語「おっしゃる」+尊敬の「られる」 |
| ご覧になられる | ご覧になる | 尊敬語「ご覧になる」+「られる」 |
| お越しになられる | お越しになる/いらっしゃる | 尊敬語「お越しになる」+「られる」 |
| お帰りになられる | お帰りになる | 「お〜になる」+「られる」 |
| 拝見させていただく | 拝見する | 謙譲語「拝見する」+「させていただく」 |
| 拝読させていただく | 拝読する | 謙譲語「拝読する」+「させていただく」 |
| お伺いさせていただく | 伺う | 謙譲語「伺う」+「お〜する」+「させていただく」 |
| お召し上がりになられる | 召し上がる | 「召し上がる」+「お〜になる」+「られる」 |
例文で確認
誤先日部長がおっしゃられた件について、ご報告いたします。
正先日部長がおっしゃった件について、ご報告いたします。
誤資料を拝見させていただきました。
正資料を拝見しました。
誤明日10時にお伺いさせていただきます。
正明日10時に伺います。
二重敬語を見分けるコツ
二重敬語の多くは、専用の敬語の動詞(おっしゃる・ご覧になる・召し上がる・いらっしゃる・拝見する・伺う・申し上げる など)に、 さらに「られる」「お〜になる」「させていただく」を足したときに起きます。 専用の敬語の動詞を使ったら、それ以上は足さない、と覚えておくと防げます。
| ふつうの言い方 | 尊敬語(相手の動作) | 謙譲語(自分の動作) |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申す・申し上げる |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 行く・来る | いらっしゃる・お越しになる | 伺う・参る |
| 食べる | 召し上がる | いただく |
| 読む | お読みになる | 拝読する |
習慣として定着し、許容されている表現
形の上では二重敬語でも、広く使われて定着しているものもあります。文化庁の「敬語の指針」では、 「お召し上がりになる」「お伺いする」「お伺いいたす」「お見えになる」などが、習慣として定着している例として挙げられています。 これらは使っても誤りとはいえません。ただし、迷ったときは「召し上がる」「伺う」のように短い形を選ぶと、より確実です。
送る前にチェックするには
二重敬語は、書いた本人ほど気づきにくいものです。メールを送る前に、「られる」「させていただく」が専用の敬語の動詞にくっついていないかを見直しましょう。 敬語チェッカーにメールを貼り付けると、二重敬語の場所と直し方を表示します。
参考:文化庁 文化審議会答申「敬語の指針」(2007年)
よくある質問
「お伺いします」は二重敬語ですか?
「伺う」に「お〜する」を重ねた形なので、形の上では二重敬語です。ただし文化庁の「敬語の指針」では、「お伺いする」「お伺いいたす」は習慣として定着している例として挙げられており、使っても失礼にはなりません。迷ったら「伺います」とすれば確実です。
二重敬語を使うと失礼になりますか?
相手を怒らせるほど失礼になることは少ないですが、「敬語に慣れていない」「まわりくどい」という印象を与えます。とくに就職活動や取引先へのメールでは、正しい形に直しておくと安心です。
「させていただきます」も二重敬語ですか?
「させていただく」自体は二重敬語ではありません。ただし「拝見させていただく」のように、すでに謙譲語の動詞に重ねると二重敬語になります。