尊敬語・謙譲語・丁寧語の違い|早見表と取り違えやすい例
敬語の間違いでいちばん多いのが、尊敬語と謙譲語の取り違えです。 「資料を拝見されましたか」「受付で伺ってください」のように、相手の動作に謙譲語を使ってしまうと、相手を低めることになり失礼にあたります。
この記事のポイント
- 尊敬語は相手の動作に使って相手を高める。謙譲語は自分の動作に使って自分を低める
- 迷ったら「その動作をするのは誰か」を確認する
- 社外の人と話すときは、自分の上司も「自分側」になる
3つの敬語の違い
| 種類 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手や相手側の人の動作・状態 | いらっしゃる、おっしゃる、ご覧になる、お読みになる |
| 謙譲語 | 自分や自分側の人の動作 | 伺う、申し上げる、拝見する、お送りする |
| 丁寧語 | 聞き手・読み手への丁寧さ | です、ます、ございます |
文化庁の「敬語の指針」では、さらにくわしく、謙譲語を謙譲語Ⅰ(伺う・申し上げるなど、相手に向かう動作で相手を立てる)と 謙譲語Ⅱ(丁重語)(参る・申す・いたすなど、自分の動作を聞き手に丁重に述べる)に分け、「お酒」「お料理」などの美化語を加えた5種類で整理しています。
よく使う動詞の早見表
| ふつうの言い方 | 尊敬語 | 謙譲語 |
|---|---|---|
| いる | いらっしゃる | おる |
| 行く | いらっしゃる | 伺う・参る |
| 来る | いらっしゃる・お越しになる・お見えになる | 参る |
| 言う | おっしゃる | 申す・申し上げる |
| する | なさる | いたす |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 聞く | お聞きになる | 伺う・拝聴する |
| 知っている | ご存じだ | 存じている・存じ上げている |
| 食べる・飲む | 召し上がる | いただく |
| もらう | お受け取りになる | いただく・頂戴する |
| 会う | お会いになる | お目にかかる |
取り違えやすい例
誤資料はもう拝見されましたか。
正資料はもうご覧になりましたか。
誤詳しくは受付で伺ってください。
正詳しくは受付でお尋ねください。
誤どうぞ温かいうちにいただいてください。
正どうぞ温かいうちに召し上がってください。
誤(社外の人に)山田部長がそうおっしゃっていました。
正(社外の人に)部長の山田がそのように申しておりました。
「お〜する」を相手に使わない
「お待ちする」「ご案内する」のような「お(ご)〜する」は謙譲語の形です。相手の動作に使って「お客様がお待ちしています」とすると誤りになります。 相手の動作には尊敬語の「お(ご)〜になる」「お(ご)〜ください」を使い、「お客様がお待ちになっています」「こちらでお待ちください」とします。
自分で書いたメールでは、どの動作が誰のものかを見落としがちです。敬語チェッカーなら、尊敬語と謙譲語の取り違えを見つけて直し方を表示します。
参考:文化庁 文化審議会答申「敬語の指針」(2007年)
よくある質問
尊敬語と謙譲語、どちらを使うか迷ったら?
「その動作をするのは誰か」を考えます。相手(や相手側の人)がする動作なら尊敬語、自分(や自分側の人)がする動作なら謙譲語です。
社外の人に自分の上司のことを話すときは?
社外の人に対しては、自分の会社の人は「自分側」です。上司であっても謙譲語を使い、「部長の山田が申しておりました」のように言います。「山田部長がおっしゃっていました」は誤りです。
敬語の種類は3つではないのですか?
学校では尊敬語・謙譲語・丁寧語の3分類で習うことが多いですが、文化庁の「敬語の指針」では、謙譲語を謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱ(丁重語)に分け、美化語を加えた5分類で説明しています。